朝は、あんなに晴れていたのに夕立の様なドシャ降りの雨が降っている。傘を持っていない日に限って…。自分に苛立ちを覚えながら、工場の入り口に立ち尽くす。見渡せば、傘を持っておらず覚悟を決めて雨の中帰る人達が多い。一向に止みそうに無い雨に、私も帰る事にした。この滝の様な雨に対抗して鞄などで頭を覆っても全く意味が無いし、鞄を直に雨に濡らしたくない。メイクが落ちない様に手で軽く顔を覆う。走った所で雨が避けられるハズも無いから競歩の様な速さで滝に打たれながら駅までの道のりを急ぐ。正に滝だ。駅まで試練の修行だ。しかしここまで育毛剤の水圧かと思う位な、頭皮に雨の酸を食らうと、あの髪とかし女より自分の髪の方が先に禿散らかってしまう気がする。雨を避けられる機能が私には無いものか。私も、まだまだだだな。あぁ長かった。駅が、やっと見て来た。しかし信号が赤だ。交差点に有るこの信号は長い。早くしてくれよ。私の顔は今どう言う状態なのだろう。マスカラが落ちて黒い涙が流れて悲惨な事になっていないだろうか。余り顔を上げたくないが見渡せば皆滝の雨の修行に必死をしている。良かった。修行の中で、微かな安堵。そんな気持ちでいたら優雅に折り畳み傘をさして悠々としている奴が居た。


