お洒落なカフェの暖かみの有るオレンジ色の照明の下に置いてあるアイスコーヒーのグラスが汗をかいているのと同じ位に私の身体と手も汗ばんでいる。顔には、かいていない。私は女優に向いているのかもしれない。けれどその前に整形をしてメイクの勉強をしなくてはならない。そうしなければ聖さんと釣り合わないから。バカ。私ってば聖さんの彼女でもないのに。聖さんと向き合って座る事など初めてだから、目線を何処に持って行けば良いのか分からない。それでも周りの人々にはカップルに見えるだろうか。と、また考えてしまう。鳴門から変化して私の瞳は泳いでいる。クロールどころか、慌てふためいて、一見すると溺れているみたいなバタフライをしている。バタフライの息継ぎの途中、聖さんがチラリと視界に入る。私を真っ直ぐ見つめているのが分かる。それを知った私は、チークを乗せたかの様に、頬を越えて耳まで赤くなっている気がする。あー、こんな事になるなら美白主義なんて貫くんじゃなかった。ガン黒にしておけば良かった。いや、ダメだ。ガン黒にしてしまったら、将来シミになって聖さんと釣り合わない女になってしまう。バカ!私ってば聖さんと付き合ってもいないのに。あー、頼むよループ止まっておくれ。


