こんな狭っ苦しい部屋の中で汗だくになって、ギュウギュウ詰めの客の熱気と重たい物を持たされて、階段を上ったり下ったり、倉庫もギュウギュウ詰めで、仕事が捗らない。
嫌気がさしていた。

私は、品出しとレジだけやりたい。

狭い店なんだから、探し物位、自分で探せよ。
どうせ、暇で買い物来てるんだろ。


高校3年生の頃、就職活動。私の時代は、超氷河期で仕事が決まらなかった。
会社の面接に行ったのは、たったの1社だけ。
しかも、学生気分が抜けていなかったから、これから社会人になるなんて、自覚も実感も無かった。適当に面接を受け、当然、落ちた。
決まらかった。と言うか、社員で働く気が無かった。
他の友達は、超氷河期とは言え、次々と就職が決まり、私は、取り残された気分で、そんな現実から逃げたいのと、就職難だから…と、周りに言い訳をして、フリーターの道を選び、高校を卒業した。

よくよく考えれてみれば、フリーターって何の保証も無いけれど、給料で余計なものが引かれないし、稼いだ分貰えるし、いいや。と、楽観的に考えていた。

ボーナスも無いし有給も無い。休んだ分だけ給料が減るけれど。

しかし、いざ卒業してみたら、何だか気持ちが、スッカラカンになって、手荷物無しで社会に放り出された様な感じで、どうしようもなくて暫く家で、ぼーっとしていたら、親に、
「早く仕事見つけなさい。」
と言われて、

あぁそうだ。学生は何もしなくても、親がどうにかしてくれたけれど、今は自分で、どうにかしなくちゃいけないのか。

そう思ったら急に孤独感に苛まれ、これからは、ただの居候になるのかと思った。