「だって、最初玄関前で姉貴のこと、熱ーい視線で見てたじゃん♪」
最近の子供は…どんんだけ鋭いんだ。
「そんなんじゃないさ。俺には、ちゃーんと待っててくれる彼女がいるんだ」
「なーんだ。姉貴、美人だろ?」
「高3ぐらい?」
「大学1年。今年、看護科?行った」
「へぇ」
「陽ちゃんは、先生になるの?」
「おぅ。だから、家庭教師で勉強中」
「? 陽ちゃんが教えんのに?」
「教えるのって、逆に勉強になったりするんだよ」
「ふぅん」
「さて、お喋りはここまでだ。教科書と今やってるところ、教えて」
「んーとね…」
成二は見た目はチャラいけど、中身はちゃんとしていた。
頭だって、悪いわけじゃない。
授業もちゃんと聞いてるとみた。

