実際の所、森の好きな奴なんか知らないし興味もない。


でも、なぜか口にしていた。


「…そっか。それじゃあダメだね、あたし。だってキスしたことないもん…」


「じゃあさ、俺が教えてやるよ?お前も、俺を森だと思ってすればいい」


「…いいの?」


「ああ、いいよ」




それからというもの、俺は「練習台」という口実で柚に触れ始めたんだ。


始めてのキスも、始めてのあれも、…すべて俺が貰った。



「や…ん…ん…、…もっ…と…」


いつの間にか柚に夢中になっていて、練習台というのも忘れ、柚と一つになり続けた。