それから暫くして、ポケットに入れていた携帯が鳴った。
「もしもし、主任。今日、会えますか?」
「…ああ。今会議が終わった所だ」
「じゃあ…いつもの場所で」
俺は今、部下の高梨と付き合っている。
一個下の後輩だが、大人っぽい空気を彼女は持っている。
彼女が居るのに、最低だな。
柚のことになると、やっぱりおかしくなる。
「お疲れ様です、会議」
「ああ」
いつも会う場所で落ち合い、そのまま近くのホテルに向かった。
「…シャワー浴びますか?高倉さん」
「いや、後でいい。先に入れよ」
「一緒に、入りませんか?」
時々彼女はこんなことを言う。
こんな彼女に俺は惚れたんだ。


