母がこの世を去ってから10年の年月が経った
僕は社会人になり、配偶者との子供も居る、いたって普通の家庭で楽しく毎日を送っている。配偶者との出会いは高校二年の頃だった。
虐められていた僕をかばってくれたり、慰めたりしてくれたのがきっかけだ

高校に入り、授業参観などにいつも父親しか来ないことを不思議に思ったクラスメイトは僕に
「お前の母さんいないんだろ?」
と片親が居ないことを理由にして僕をいじめの対象にした。
しかし、それに気づいていない者はいなかった、皆いじめには気づいていたが、人間というのはやっかいな事から逃げる特徴を持っている
それゆえだれも僕とは話さなかった、勿論僕から話しかけることもなかった。
けど、そんななか一人の女性だけは僕に構ってくれた、今の配偶者、咲だ
だんだんと仲良くなる内に、友情とは別の感情が自分の中にあることに気づいた、その感情とは 「恋」 だ
内気な僕は中々告白が出来なかった。
彼女は 僕が私の事を好きだ と気づいていたようだ
彼女に
「言いたいことあるんでしょ?」
と声をかけられ、僕は自分の想いを告げた
そうして僕と咲は付き合い始めた。