その後を聞くと、彼女に残された遺産はナイらしいく、おじいちゃんが生きていた時に貰っていたお金を貯金していて、それで今は、それなりの会社を立ち上げているらしい。


「じゃ、お父さんとは・・・」



「家族だけど、家族じゃない」



養女でも幸せだったのよ。と呟く光美さんは、お母さんと同じようなニオイがする。



「光美・・・さん。
帰ってもいいでしょうか?」



「ダメよ。
あなたはこれから、ロンドンに行くんだから。
私と」



私は、目をぱちくりしながら光美さんを見た。






この時から、陵斗との距離は遠く、遠くなっていた。



何故、あの時君は・・・『じゃ』と言ったの?



心配かけたのに、何も言わず、旅立ったから??