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「陵斗さま、陵斗さま」



黒木が俺の身体を揺すった。



「陵斗・・・さま」



俺は重い瞼を持ち上げた。



「大丈夫ですか?」


「生死さ迷ってるワケじゃ・・・ねぇーんだから。
あぁ・・・眠い」



「そうではありません。
泣いておりますよ?陵斗坊ちゃん」



頬には生ぬるい涙。



「坊ちゃんって言うな。
もうガキじゃない。大道寺の後継者だ」



「さようでございますよ。陵斗さま」



黒木は俺にハンカチを渡すと、俺の荷物を持って屋敷の中へ。



俺はハンカチで涙を拭った。





【陵斗Side終】