亜季。


お前は何を考えてるんだ?



「あなたは私の両親に。
私は白雪さんに挨拶します。
『陵斗さんは私の婚約者になりました。結婚式には来て下さいね。婚約者、または旦那様と・・・』って言わないと」



亜季を殴りたい。


この世から消してしまうほどに。




「明後日、出発しましょう?
プライベートジェット機、お願いしますね。
うちには無いので」



亜季はまた勝手に頬にキスをすると、笑顔で手を振って、部屋から出て行った。




「お帰りになられるのですね。亜季さま。」という執事達の声が聞える。



俺は携帯を取り出し、白雪に電話をかけた。



『おかけになった電話番号は、現在使われておりません。』



虚しく、携帯から聞えたのは、アナウンスの声。


耳元で何回も、何回もリピートされていた。






【陵斗Side終】