「おい芽亜待てよ!!」


走ってきた剛志朗に腕をつかまれる。


「・・・痛い、離して」
戸惑いにゆがむ剛志朗の顔。
また、ぐっと腕に力が入る。
「・・・!?痛い!!ホント痛いからはなして!!」

「ごめん」うでの力が緩む
なんだか急に寂しくなった気がした。
私意味わかんないな

目をそらすようにして
剛志朗に背を向けた。

やだ。なんでまたこんな時に
涙が出ちゃうんだろう。

きっと剛志朗は今
なんて可愛くない女って
なんて生意気な女なんだって
思ったよね

いい、もう、可愛くなくても。
生意気でもいい
だってどんなに頑張ったって
剛志朗のとなりには行けない。
「友達」と「彼女」の壁は
絶対越えられないんだって。
分かってるから・・・



「・・・芽亜?」

思わず振り返る私の涙に
驚く剛志朗。

しまった。

「え・・・芽亜・・っごめん!!俺、泣かすとか
そんな気はなくて、あーもう、なにやってんだよ俺・・・って違くて、ごめん、ホントごめん・・・」

「違うの、別に泣いてないから!!ゴミが入っただけ」

そのまま走って逃げた
追いかけてくる気配がなかったから
少しペースを落とした・・・