「ごめんな」
声がしたほうを見ると剛志朗だった。

「廊下。五月蠅かったろ」

「・・・・いや、そんなに」
嘘だけど。心が小さいと思われたくなかった。


「あいつら来んなって言ったのによー。芽亜は前もA組?」



・・・・・・・・!?!?!?!

今、名前で・・・



慌ててた私に気づき
気まずそうに笑う

「読み方違う?俺馬鹿だから」
そう言って指をさした私の教科書。


裏返そうとしてやめたあの教科書。

一定のリズムを保っていた心臓がおかしい

「あ、あの」
「ん?」
「あってるから・・・あの、読み方」
「まじで?よかった~」

ピアスには似合わない可愛い笑顔を作る。

「ミスったかと思った」

前髪をかきあげる剛志朗。

以外にもシャンプーの匂いがした


長距離走ってもびくともしない私の心臓
なのに、なんか変


「俺は剛志朗でいいから」


優しい瞳に吸い込まれそうになる
おかしい。なにかが変





私、なんとなくわかってる



これが、




「一目惚れ」だってことに…