夏の記憶

「あれ、あいつらどこ行ったの」


後は、苺飴を2本持ったタケルが戻ってきた時に、わたしがしらばっくれればいい。


「二人でジュース買いに行くって言ってたけど。帰ってこないね。この場所わからなくなっちゃたのかな」


我ながらへたくそな演技で、梢と何度も打ち合わせたセリフを言う。


「まじで?これどうすんだよ…」


タケルがたった今買ってきたばかりの苺飴を見つめる。


「二人にかけても携帯繋がらないし…」


「しょうがねえなあ。ここにいてもしょうがねえし探すか」


わたしたち二人でまわろう、とわたしがいう前に、タケルが口を開いた。


「う、うん。そうだね。まだ近くにいるかもしれないし」


「食っちゃおうぜ」


そう言って、タケルはわたしに苺飴を一本手渡した。