「3年だから進路の事も考えないといけないじゃん。私は進学する気ないから就職組のAになったんじゃないかな?」


陽翔は2年の学期末に進路票を提出したのを思い出した。


「そういえば進路票提出したんだっけか。俺は未定にしてたからとりあえずBって感じか。Cは進学コースらしいしな。ま、今回は離れ離れになるけど寂しくなったらいつでもBに来いよ。」


「……うん。」


その時何故か咲の目が悲しく見えた。


「どうした咲?」


「い、いや何でもないよ。」


「でも…。」


「本当に大丈夫だって。それより早く教室行って荷物置かないと始業式に間に合わなくなるよ。この馬鹿ここに置いておくから持って行って。また後でね。」


そう言って咲は輝久を落として教室に戻って行った。


「咲…。」


「どうした陽翔?珍しく咲の事が気になるのか?」


輝久がイモムシみたいな格好で聞いてきた。


「いや…何でもねぇよ。」


「そっか。それなら悪いが手を貸してくれないか?1人じゃ立てないのだよ。」