恋愛講習-赤点常習犯と初受講生-

「えーっと、この2人が…。」


哲也が話し始めた瞬間。


「おー!!マイ・スイート・ハニー!!君の存在は僕を輝かせる太陽みたいなものだよ。君もそうは思わないかい?」


さっきまで死人の様であった三木が女の子に詰め寄った。


どうやら可愛い女の子を見つけて復活したみたいだ。


しかし、女の子は突然の事でオドオドしていた。


すると男が三木と女の子の間に入ってきて一言。


「静瑠に気安く話し掛けるなクズが。」


「へ?」


三木は目が点となった。


教室もヒンヤリとした空気が流れた。


三木はヘビに睨まれたカエル状態になり動けないでいた。


その時。


「や、やめてよお兄ちゃん。」


「…ちっ。」


男は女の子に止められて元の位置に戻った。


三木はビビって再び白くなっていた。


『ふーっ』


三木以外はそう感じたに違いない。


しかし、ここで全員がある疑問を抱いた。


『お兄ちゃん!?』


「あ~…お~い陽翔。もう一回三木を席に戻してやってくれ。」


「また俺かよ!!席が近い奴にやらせろよ。」


「ま、そう言わずに頼むよ。お前くらいしかやってくれる奴いないんだよ。それに早くしないと始業式始まってしまうし。」