「……いや、明らかに嫌われてるだろ」

そう言ったのは、前の席の奴だった。


「何間違った事言ってんの?
 俺と彼は相思相愛に決まってるだろ!」

なんせ、恋人同士なんだからな。

どうせ独り身のコイツの、
醜い嫉妬なんだろうよ。

可哀そうにな!


「おい、ムカつく目で見ないでくれる?」

「同情してあげてるんだよ」

「いらねーよ」

本当、可哀そうな奴だ!


そんな奴はほっといて、
授業の準備をしてる彼を見つめる。


俺の愛しのハニーは今日も麗しい。


ま、一緒に住んでるから
朝からずっと見つめっぱなしなんですけどね!

さっきは彼が日直の為、
俺を置いて職員室まで
日誌を取りに行っていたんだ。