―――オレは、芽吹 架(めぶき かける)。

県立宮凛高等学校、略して宮高に通う2年生。
バスケが大好きで、友達は結構多いほうだと思ってる。
勉強は好きじゃないけど、まあまあ部活と両立できてるんじゃねえかな。

そしてオレには双子の妹がいる。

同じクラスの芽吹 朱梨(めぶき しゅり)。
あいつは無駄にロマンチストなんだ。
目立たないし、地味。勉強もあんまり出来ないし、運動も得意じゃないらしい。

でも、可愛いんだ。
兄バカじゃないけど、俺もそう思う。
自覚はないみたいけど…あいつは小さい頃から意外とモテてる。
まあ、オレの妹だしな!(笑)


「……うちのクラスの場合~、やっぱり中心って言ったら芽吹 架だよね~♪マジでイケメンだしさ~」


ってオイオイ、オレは嬉しいから別にいいけど、未琴の声でけえよ(笑)。

…朱梨のやつ、困ってんなあ。

しゃーねえな。
話しかけに行くか…って、あれ?

朱梨たちのとこに向かおうとしたオレは、どこかから視線を感じた。

「…架。」
「おう、真岬~」

感じた視線の正体は、真岬だったらしい。
真岬は高校に入ってからできた親友。バスケもうまいし、男のオレから見てもめちゃくちゃかっけえ!自慢の親友なんだぜ。