キーンコーンカーンコーン
 キーンコーンカーンコーン

6時間目の授業もやっと終わりを迎えた。

「起立ー、礼ー」
日直のやる気のない号令の後、各々席を立ち歩いたり、友達と喋ったり…。「やっと終わったー!はよ部活行こー」とか「今日帰りクレープ食べに行こー」とか「今から掃除やー、最悪ー」だとか、それぞれが自分のすべきことをし始めた。

私は帰り支度をしていて、
「白鷹、また明日ー バイバーイ」
と言われたので、
「バイバイ」
と返した。言葉を返したのは 松尾 白鷹(まつお しらたか)である。名前からして男だと思われがちであるが、れっきとした女である。



白鷹は帰りの支度をし終えたので、双子の妹である黒鷹(くろたか)の元へ向かった。

黒鷹は白鷹の隣のクラスで、窓際である自分の席で机に伏せて寝ていた。
ちなみに言うと、1ページ前で寝ていたのは黒鷹である。その時からずっと黒鷹は寝ている。

「はぁ…」
また黒鷹寝てるし…。いつものことだから慣れたけど、毎日起こしに来るこっちの身にもなってよねー。

ため息を一つ漏らし、黒鷹を起こすため体を揺すった。

「起きろー!!黒鷹ぁ!!」
「………ん」
黒鷹は夢か現かわかってないようで、視点が定まらず ぼーっとしている。

「どうしたん?白鷹…こんな時間に来るの珍しいね」
「毎日来てんじゃん。あんたを起こしに」
「…そうでした」
「はよ帰り支度して、"モノクロ"行くで」
「はーい」

"モノクロ"とは、とある知人が営むバーの名前であり、双子たちの"たまり場"である。

黒鷹の帰る準備が終わり、すぐ学校を出た。