時間はあっというまに過ぎてゆき、今は出発1時間前となった。

その間は鈴が作ってくれた夕飯を(寝てるので)黒鷹以外で食べたり、各自準備やイメトレなどすべきことを時間をフル活用して行った。

黒鷹は白鷹に起こされ、鈴の部屋からたまり場へと足を運んだ。
鈴が黒鷹の食事準備を一階でしてきてくれたみたいで、たまり場には黒鷹用の温かい夕飯が綺麗に並んでいた。

「今日はうどんですか…いただきます」
「きつねうどんにしてみたー。黒鷹好きやったよな?さぁさぁたーんとお食べ!」

ニコニコしながらいう鈴に向かって「うまい」とだけ言葉を漏らして、黒鷹はうどんを無言で食べ続けた。


「黒鷹、時間にゆとり持たせたしちゃんと酔わない安全運転で行こ!」
白鷹は仕事で車を使う度に黒鷹にお願いするも、叶ったことはないとか。

「…えー、なんでー。……ズルズル」
「あの運転じゃメール作成に普段の倍くらい時間かかるしタイムロスやん?」
メールは意外と時間がかかるもので、大変らしい。
「ズルズル……鈴とクロはあれくらい激しい運転しないと楽しくないって言ってます」
「いやいやそんなん言った覚えないんですけどー!酔ってるからね?いつも気付いてなかったん?」

鈴は必死に黒鷹に訴えたが、黒鷹は何もいわずズルズルとうどんをすすった。

鈴と白鷹は毎回大変な思いをしているようで、思い出し酔いをし始めたのか、顔が青ざめていた。