って…………アキラ―――――っ!!
なんで寝てんだよ、なんでそんな可愛い寝顔してんだよ!!
「落ち着け、落ち着け」
俺は呪文のように自分に言い聞かせ ゆっくりとアキラの横に腰をおろした。
でも、俺が気になるのは周りの人混み……。俺はなんでこんなに周りが気になる?
――……みんな空を見上げて花火を待っている。それに、ここは土手でも一番高い場所……後ろに人影は……ない。
こんな子供の俺たちを、気にする目もない……。
よせ、俺――――……やめとけ、俺!
でも、もうどうにも止まらなくなって、俺はゆっくりとアキラの顔に近付いてしまった。
そして、あどけなく眠るアキラの唇に、俺の唇が、そっと触れる。
なんだ、この幸せ感。
――このまま、時間が止まってしまえばいいのに……。
初めて、触れた、アキラの唇。
柔らかくて、温かい。
俺、ずっと、お前の事、好きだったんだ……。
「……ん」
アキラの声に、ハッと我に返り、俺はとっさにアキラから離れた。

