毎日が楽しかった。
大好きなアキラと、大好きになったテニスが出来て、俺は確実に浮かれてた。もしかしたら、アキラも俺と同じ気持ちなんじゃないかって思うほどだ。
感じるんだ……互いの心が、近付いてるって……。
出来れば思い込みじゃない方がいいけど。
「陽、あんた明日、夏祭り行くの?」
姉ちゃんがカレンダーを見ながら俺に聞いた。
そう言えば、明日は夏祭りだ。
「なんで?」
「ううん、別に……明日あたし友達と行くんだけど、お父さんもお母さんも夜勤でいないんだって、だから、もし行くなら夜ごはんとか、作りたくないなぁ、とか?」
「何だよ、邪魔な訳だな」
「そうじゃないのよ~ねぇ行くの? 行かないの? 行くならお小遣いあげるからぁ」
あ~はいはい、それは俺に行けって事だな……待てよ、夏祭り……アキラ、一緒に行くかな……。
「俺、行く」
「やった!」
俺、アキラに聞きもしないで『行く』なんて言っちまったけど……大丈夫、だよな。
でもアキラは女の子だぞ、もしかしたら親がダメっていうかも……どうしよう。
ま、そん時に考えるか。

