高くボールがあげられ、ラケットが空を切る。

 来る!

 でも、一球目は大きくサービスラインを外れた。

「フォールト」

 いきなりアウトだ。きっと、亜美だって今日は違う緊張感があるはずなんだ、絶対に隙もあるはず。

 二球目は、インに入ってきた、俺はそのボールを亜美のコートに返す。とりあえず様子見。ネット手前に落としたから、亜美はすぐさま走ってくる。

「0-15」

 でも、足遅ぇ……あっという間に、亜美の手の届かない場所にボールが落ちた。

 悔しそうに、亜美は唇をかんでる。

 亜美が再び、サーバー。

 だけど、何度やっても、亜美は俺の球を返せなかった。あいつが打ってくる場所がお決まりだ。亜美の苦手なコースも見極めている。

 そのまま、ラリーをあまりする事もなく、俺は呆気なく亜美に勝ってしまった。

「ゲーム加藤、チェンジエンド」

 審判の声で、俺たちは互いのコートを変わる。

 なんか余裕?