「もしあたしがあの場で泣いたら、准弥はもっと辛くなるでしょ?だからあたし、泣くの堪えてた。准弥にスキぢゃないならそう言えばいいって言われたときも、口を開いたらもうアメリカなんて行けない気がしたの…。」 沙那の瞳から、涙が零れたのがわかった。 「留学が沙那の夢だったってことはわかってる。でも、どうして今なんだ?どうしてそこまで行きたがるんだ?チャンスはこれからだってあるのに。」 それは、俺が一番訊きたいことだった。