素直になれば


それから数日が経って、結局沙那とはこの前のことについて話せないまま、終業式を迎えてしまった。





朝練を終えて教室に戻り、机に顔を伏せて眠ろうとしたとき、放送が流れた。






『ー激しい雨の影響で電車に遅れが出てるため、終業式の開始時刻を遅れさせます。校内にいる生徒は、外に出ないようにして下さい。』





ぢゃあ俺、ヒマぢゃん。




そう思って、沙那のクラスに行った。

きっと今までだったら、真っ先に二人の時間を過ごしていただろう。




ドアの所に立って、名前を呼ぶと、「おはよう」と言いながら、こっちに来てくれた。