素直になれば


そして部活が終わり、帰宅時間。



今日は、偶然沙那と会ったりなんてことはなく、この前のメンバーで帰った。





相変わらずだけど、秀と里愛ちゃんは仲がいい。

秀には彼女がいるはずなのに、彼女よりも里愛ちゃんの方が仲良しなんぢゃないかと思うほどだ。





「そいえば逆井先輩、彼女さんとはどうなんですか?」





なにも知らない秀が、俺にそう訊いた。





「彼女とは…。別れた。」




「えっ?なんでっすか?」




秀に悪気がないのはよくわかる。
でも、秀の言葉が俺の心を抉る。





「秀はさっ!秀は、どうなの?依緒ちゃんと♪」





すかさず不自然にならない程度に、里愛ちゃんが話しを変えた。




俺、また後輩に助けられてる…。
まぢ、ダセェな。




それからそれ以上沙那の話題が出ることなく、家へ帰宅した。