「いつ帰るかわからない自分に縛られて、逆井先輩が新しい出会いをシャットダウンしてしまうのが、イヤなんぢゃないですか?…一度別れたら二度と付き合えないなんて決まり、ありませんし…。」
言葉が出なかった。
確かに沙那なら、最後の最後まで俺のことばっかり考えて、そんな結論を出すことだって、考えられる。
なんで俺は、気付いてやれなかったんだ。
こんなに俺のこと考えてくれてるのに、俺は、沙那を傷付けることしか出来なかった。
「俺さ、結果がどうなるにしても、もう一回沙那と話すよ。」
「はい!ガンバって下さい♪」
里愛ちゃんは明るい声でそう言った。
それからすぐ、さよならをして、電話を切った。


