素直になれば


「そんなん、俺が待ってるよ。何年でも、待っててやる。だから別れるなんて、言うな。」




「それはだめなの。准弥、別れよ。」





いつもの声で、別れようと言い張る沙那。


なんでだ…?
どうして別れを選ぶんだ…?





「沙那は、なんともねぇのかよ。俺に相談なしで勝手に行くって決めてさ。勝手に別れるって決めてさ。なんでだよ…。」





「あたしは前から、留学もしてみたいんだって言ってたでしょ?」





俯いたままの沙那に、悲しみと苛立ちが溢れ出した。