素直になれば


バスが到着して、「里愛ちゃんと隣で座りたい!」という沙那さんの言葉で、あたしは沙那さんの隣に座った。





「沙那さんは…、どうしてあたしのこと知ってるんですか?」





遠慮がちにそう聞くと、優しく微笑んで、声を少し潜めた。





「准弥がね〜。中1くらいでも通用しちゃうんぢゃないかってくらい、小さくて幼い感じの可愛い子が、マネージャーに来てくれたって言ってたの。なんか、喜んでたよ♪」




「そうなんですか?」




「うん!で、男バスの人たちと一緒にいるし、准弥が言ってたのに当てはまるし、可愛いし、里愛ちゃんぢゃないかなって思ったんだ♪」




「そうなんですか。でも、あたしは全然。沙那さんみたいな、大人っぽくて綺麗な方が、憧れます!」