素直になれば


「貸してみ?俺持ってくから。」





「え、いや、大丈夫です!あたし、自分で持てますから!」




そう言って、笑ってみた。




「ぢゃあ、持ち上げてみ?」





「いや…それは…。」




逆井先輩の悪戯な笑みに、あたしはなにも答えられなかった。




「ほら、だから俺持ってくよ。」






「でも、先輩練習が…。」




「大丈夫!」



逆井先輩は、暖かく笑った。