好きな人はスカウトマン。

「遠距離で、色々我慢してて、普段彼がどんな事をしているのかも知りたかったし~。

もしかしたらね、むこーに女とか、いるのかな~、なんて思っちゃって~……」


「うん……」


「チェックしちゃったんだ~。受信メールと着信履歴、両方」


「それで、どうだったの?」


由佳は、あたしの顔を見て、恥ずかしそうに笑いながら

「何もなかったよ」

と言った。


「でもね、内容がどんなに色気のない、仕事の話だとしても、やっぱり女の人からのメールや着信は残ってるの~」


「うん」


「女の人だって仕事してるんだから当たり前なんだけど~、やっぱり面白くなかった!
あたしも高校生だったし、まだまだ子供だったから、そーゆうのですらヤキモチ妬いちゃって、シャワー浴び終えて出てきた彼に、なんか冷たくしちゃって」


「うんうん」


「せっかく久しぶりに会えたのに、あんまり楽しくなかったんだぁ~」