好きな人はスカウトマン。

色々と心の葛藤がありつつも、また圭太と会う約束をした。

うちまで迎えに来てくれて、夜のドライブをする事になった。


「久しぶりー」

そう言って車に乗り込んだら、

「この前会ったじゃん」

と笑われた。


「違うよ!車に久しぶり、って言ったの!」




本当に久しぶりの圭太の車だった。

正確には圭太の親の車。


いつも借りて乗っていて、圭太が運転する時の助手席は、決まってあたしの定位置だった。


なのに……

あたしは気付いてしまったのだ。