「ちくしょっ!!」
わずかの差で負けた金田は悔しそうに地面を蹴る。
それを見た伊月は、意地悪そうに笑った。
次々にゴールする生徒会。
よもや轟はゴールするかも危うかった。
私がゴールに駆けつけるとよろよろと、お嬢っ!と声をかけてきた。
「お前に頼んだ私が馬鹿だったよ。もういい休め。」
「ええ!?」
「もういいんだ。それじゃお前今日中に死んじゃうから。」
汗だくの轟。
大のおとなが情けない。
視界の端に金田と伊月が映る。
またもや睨みあってる。
「おいおい、純粋に体育祭を楽しめよ。」
そう私が言うと、伊月は軽く返事をして次の競技の準備を始めた。
一方金田はその場から動かない。
どうしたのだろうか。
「おい、金田?」
「……んぁ?」
遅れた反応。
染み出す大量の汗。
おかしい。
「…ちょっと金田!?」
「ちょ…汗が…」
とっさに金田のおでこに手を当てる。
金田は自分の汗がつく心配をしたんだろうが、私はお構いなし。
触れた手に感じる熱。
「金田お前こんな高い熱…っ!」
「しっ!」
金田は黙れと言わんばかりに私の唇に人差し指を押し付ける。
金田の目を見れば、視点が合っていない。
こいつむちゃくちゃ無理してるんじゃ…
「…言うなよ?誰にも!!」
「なんでそんな無理すんだよ!!負けたって私が伊月とデートするだけで済むじゃないか!!」
「嫌なんだよ!!!お前が犠牲になってデートするのが!!!」
「…え?」
金田は私を強引にふり解くと次の競技の準備を始めた。
私にはアイツを止めるすべがなかった。


