【金田side】
俺は家路についていた。
今日は疲れた。
精神的に。
久しぶりに女とこんなにも話した気がする。
今日の結果は、栗原が絶大な指示を得ていること、男っぽいこと。
それよりもさっきまで女子に付きまとわれてイライラしていた。
モテる部類だけど女が嫌いじゃ意味がない。
「立花の鬼!!!!!」
「あ?」
背後の男が俺を睨みつけ叫んだ。
ガタイがよく、今までスポーツばかりしていたような体つき。
だが、金髪、ピアス、ついでに刺青まで入ってる姿から不良だと思う。
そして目つき。
コイツもケンカ好きさんか。
俺はそう判断した。
最近俺に喧嘩売ってくる奴が多い。
((立花の鬼))
俺がわずか中学2年の時に手に入れた、通り名。
暴れに暴れた、俺の黄金時代。
「何でしょう?」
俺は嫌みたらしく笑う。
男も笑う。まるで般若。
すると男の背後からまた2人男が出てきた。
「なんだ?卑怯だと思うか?」
男達はケラケラ笑い始めた。
へー。バカじゃないんだな。
一人でかかるよりは、頭使ってると思うよ。
「いいよ、やろう。ちょうど俺もやりたかったとこだから。」
俺は人通りの少ない場所を指差した。
そう。俺は今イラついてるんだ。
俺を倒せば、この一帯で有名になる。
でも俺は中学生から無敗だ。
勝てっこないよ?
ストレス解消させてね、おじさん?


