【竜希side】


どうして気が付くと、そばに金田がいるのかな。
私神様に嫌われてるのかな。
いや、沢村先輩に嫌われてるのかな。
そっと、隣の金田を見る。
…こいつ瞬きしてないよな。


「おい、なにドライアイチャレンジしてんの。」

「うぉあ!!驚かすな!!チビレッサー!!!」

「チビレッサーってなんだ!!ふざけてんのか!!」

「っ!!や、なんでもない。」


…どうした。
不審だ。
チビレッサーってなんだ。
小さいレッサーパンダか。
こいつ本当に私をなんだと思ってんだ。
あ、でも宇宙人よりかマシか。


「金田、暑い?今日。」

「暑いな!!いやあ、暑い!!」

「………」


私はサッと金田のおでこに手を伸ばす。


「…っ!!!??」

「あのな、金田。今日は今週で一番寒いそうだ。」

「…そうだな。寒いな…」


焦る金田。
嘘だろ、絶対。
触れたおでこは、私の手よりも温かい。


「少し高いんじゃないか、体温。」

「いいから、放せ、近寄んな!!」

「放せとは失礼な!心配してやっ…」

「イチャイチャするな。どこだと思ってんだ。」


扉から顔を出すのは国木田先生。
…そうです、職員室の前でした。
金田は私の手を振り払うと国木田先生を睨む。


「別にイチャイチャしてないですよ。コイツ、宇宙人でサルでレッサーパンダですから。」

「人間だよ。ふざけんな。」

「仲良いな…」