てなわけで体力のある男子が確実に勝つわけだ。
その男子が男とデートしたいなんて性癖ない限り、ターゲットは私になる。
沢村先輩は頭がいいから、最初から分かってたはずだ。
意図的に私にデートさせるのか!!?
「リュー、おはよう!」
「…おはよう。」
でたな問題児。
伊月が前の席から振り返る。
その笑顔を周りに売ればいいのに。
「リューとのデートどうしよっかなぁ…」
やっぱり!!!!
「いやいや、デートなんかしないから。」
「え?生徒会が約束守れないの?」
「…」
なんだこのムカつく反論。
伊月さえなんとか出来れば…。
「栗原ー!!」
「げっ金田。」
金田が扉の辺りで私を呼ぶ。
また面倒ごとか、と金田の方へ歩いていく。
目の端でクラスの女子2.3人が発狂した。
その発狂が奇跡的に運動神経に代わって体育祭優勝しないかな。
「なんだよ。その目は。」
「なんでもない。で?」
「ああ、クラスにこれを配………」
「お仕事お疲れさま、生徒会副会長?」
「…!!??」
突然、私の首に回された腕。
見上げるとさっきまで話していた伊月だ。
「…おい、伊月やめろ。」
女子の目が怖い。
伊月を睨み付けると、ニコッと返される。
だからやめろ。
「お前は誰だ?」
「リューのクラスメート。」
「へー、今は生徒会で話してんだ。あっち行ってくんないか?」
「俺がいたらマズい内容?」
180の金田と177の伊月。
私の頭の上で繰り広げられる会話。
お互いにトゲがある。
「マズくはねぇけど、お前が聞く必要はねぇ。」
「ああそう?ならいても支障はないね。」
「…お前らうるせーよ!!!!」
くだらない口論に私が入り込む。
本当に、頭の上でいちいち面倒だ。


