「失礼します。」
障子を開ける。
目の前には驚いた表情の1、2年と分かってましたって顔をする3年が丸く円を描いて座っていた。
金田が布団を被ってあぐらをかいている。
目が合うと金田は顔を赤くして目をそらした。
「ふっ。」
「なにわらってるの?」
「なんか気が抜けちゃいました。金田の事だから、胸が小さかったとかみんなに言ってるかと思って殴り込みに来たのに…案外ウブなんだな、金田。」
「うるせえ!」
バカにしたように笑うと金田がやけになった。
いつもは私がバカにされてるから気分がいい。
「金田、栗原さんに言うことあるでしょう?」
「っ!」
大輔がまたもお母さんのように言う。
大輔に言われると金田は言いにくそうに嫌な顔をした。
金田は数秒後考えた後に口を開いた。
「わ、悪かった!事故でも…その…」
「いいって。裸見られたわけじゃないんだから。」
珍しくうじうじする金田。
そういや、コイツ女嫌いだったんだっけ。
こんな事故初めてに違いない。
女の扱いが下手くそ。
それに初めて私を女扱いしてくれて、ちょっと嬉しかったりする。
いつも胸が小さいとか露骨に言うのは、きっと冗談なんだろう。
実際はウブ。
面白い一面をみた。
「はは、本当にザックリしてるね。普通の女の子なら、避けちゃうのに。」
ニコニコする赤丸。
コイツに見られてたら…そっちの方が大賛成になっていた気がする。
「んじゃ、せっかくリューちゃんが来たんだし、気分は修学旅行!てなわけで恋バナしようよ!」
赤丸がなんかほざきだした。


