「な…なに開けてんだこのやろおおぉお!!!!!!!!」
ピシャァ
勢いよく障子を閉めて逆方向に走る。
いやいやいやいや!!!!
わざとじゃないって!!
やばい!!!
俺は…なんてことを!!!!
逆方向の部屋に入って荒い呼吸を整える。
見てしまった。
栗原の着替えを…!!!!
俺の脳内を流れ行くさっきの栗原。
下着姿に羽織った薄い着物。
消しても消しても俺の頭ではフラッシュバックする。
やべぇ栗原に合わせる顔がねぇ…!!!!!
壁に頭を打ち、悶える俺。
ふと佐々木が目をさます。
「か、金田先輩!?」
佐々木はあたふたする。
…最低だ俺。
少し落ち着いて自己嫌悪タイムに入る。
敷かれた6枚の布団。
一番暗い隅っこのに潜り込む。
顔さえ出さずに考える。
どうするか。
最低だ俺。
それから当分、俺は考え込んだ。
「…佐々木くん…あれはなに?」
「か、金田先輩です。」
布団の外から聞こえる声。
みんな来たようだ。
ちなみに俺は布団の中で体操座り。
周りから見れば、一つの布団だけが何故だかもっこりして不思議だろう。
「さっきの栗原さんの怒声はなんだったんですか?」
「…金田くん?」
布団の端が少し上がって明るくなる。
覗いているのは大輔。
「大輔。俺最低な男だ。」
「なに?キンちゃんが自己嫌悪?珍しい!」
横からマルちゃんも来た。
俺が自己嫌悪しちゃ悪いか。


