【金田side】


未成年者の飲酒はいけないことってのは分かってる。
親父さんが無理に言って飲ませた。
同盟だからって。
俺だけじゃなく大輔やマルちゃん、佐々木も飲まされた。
たった一口の酒。
佐々木は案の定それだけで酔った。
あっという間に寝てしまった。

「むにゃ…ジャムうどん。」

「さ、佐々木!?」


恐ろしい言葉が聞こえた。
なんつー夢を見てんだコイツ。


「お部屋整いました!」


障子の後ろで轟さんの太い声が聞こえる。


「じゃあ、俺、佐々木部屋に連れてくわ。」

「階段上って右曲がってすぐっす。」

「あ、ご丁寧にどうも。」


ここのやくざ…元やくざの皆さんは優しいな。
喧嘩早いけど。
俺は言われた通りに階段を上った。
おぶった佐々木が今後は「蜂蜜ご飯」とか言ってるよ。
こえぇ。


「あれ、どっちだっけ。」


さっき言われたばっかりだが忘れてしまった。
俺もボケたもんだ。
まぁ片方が違ったらもう片方だ。
試しに左に行ってみることにした。


俺は数秒後、大後悔することになる。


普通よりも少し大きい部屋だなぁ。
まあ6人も泊まるんだ、当たり前か。
障子に手をかけて開く。


「ほんとデカいな、このい……え?」


俺の思考回路は停止。
部屋の中には…栗原がいた。
栗原も固まってこちらをみている。


「な……!!!!!!!!」