その時だった。
スパンッ
半開きだった後ろの障子が勢いよく開かれる。
「おおう竜希い!彼らを泊めることにしたぞぉ~!」
「は?何言って!?」
父さんがヒックヒック言いながら顔を出す。
泊めることにしただと!?
確かに明日は祝日だからいいものの…。
中を覗くとみんなニコニコしている。
ああ、乗り気ですね。
「…わかったよ。轟、跡部、石崎!」
「おす!!!」
私が叫ぶと3人が何処からか走ってきた。
「部屋の用意を頼む。」
「おす!!」
そういうと3人はバタバタと駆けていった。
((俺がやるからお前ら寝てろ))
((お前お嬢に誉められたいだけだろ!!))
((ちげぇよ!俺は涼子に褒められたいんだ))
((黙れよシスコン玄造!))
((涼子はやらんぞ!!!))
…なんか言ってるよ、あいつ等。
客がいるときくらい静かにしろよ。
ていうか轟。
お前、21にして涼子涼子煩いわ。
シスコンもいい加減にせい。
「はぁ。私着替えてきますね。」
肩が凝った。
だから正装はやってられない。
ご飯も食えないし。
何より動きにくい。
「リュー。」
「はい?」
夏目先輩が私を呼び止める。
「似合ってるな。その格好。」
「…ありがとうございます///!」
夏目先輩ってこういうことはっきり言う人なのか。
意外にもドキリと来た。
きっとお世辞なんだろうけど。
夏目先輩が言うと本気で言われた気がする。
私はさっさと自分の部屋に戻っていった。


