一同は大きく頷く。
会長は少し考え込み、顔を上げる。


「なら、我々生徒会もお手伝いしましょう」

「幸高?」


意外な言葉に、夏目先輩が反応する。
えっ、本気ですか会長!!


「大丈夫。地域の皆さんのために私たちが活動してもいいでしょ?」

「さっすが会長!」


マルちゃんは面白半分で賛成している。
佐々木と大輔も賛成のようだ。
組長さんも微笑み、大きく頷いた。


「ありがとう。」


だいぶ話が落ち着いた所で、障子に影が映る。


「失礼いたします。お嬢の準備が整いました。」


この声はさっきの栗原の着付けをしていた花形さんだ。
そしてもう一つの影。
スッと障子が開く。
すると俺達は目を点にした。


「お待たせいたしました。」

「「「「誰!?!!」」」」

「失礼な!私だ!!」

「…………」

「なぜ黙る!?」


見た目は日本らしい美人でおしとやか。
…だがやはり中身は栗原だ。
残念でならない。


「はぁ、竜希。見た目はいんだから、口汚いの止めなよ。」

「うるせえ隆樹。お前は雄々しくしたらどうだ!?」


いがみ合う兄弟。
どっちもどっち。
栗原は組長さんの隣に座る。


ぐぅぅ


響く腹の音。


「わ、わるい。」

「全く竜希は…。では頂きましょうか。」


組長さんの号令で目の前で放置されていた食事が始まった。


…何から食べればいいんだろ…