「あなたが金田くん??」

「そうだけど…?」

「よく聞いてるよ、竜希ちゃんから!デリカシーなくてイラつくって!」

「え…」


興奮気味に涼子さんは話す。
それって悪口じゃね?


「《私のことを猿だとか宇宙人だとかいじるんだよ。雄雌は多めに見るけど、私人間なんだけど!胸がないとかすぐ言うし、最低だよアイツ!》ってよく聞かされるの」

「…間違っちゃねーけどよ…」

柄になく俺は凹んだ。
猿だ、宇宙人だって言ってるけどそれは物の例えであって。
なんで、こんなことで凹んでんだ俺。
そんな俺に、敏感な沢村、夏目、赤丸は違和感を覚える。


「あれ、金田くんどうしたの?君のような人がこんなことで凹んだの?」

「いや、まさか!凹んではないですよ。…うん。」

「へー。」

「あ、安心して!別に悪口だけじゃないから!いざとなったら助けにくるヒーローみたいって前に言ってたよ!」

「ヒーロー…?」


今度は黙って考える。
ヒーロー…それは誉めてるって解釈でいいんだよな?


「ならいいや!!!」


さっきから生徒会のみんなは変な目で見てくる。
しかし、マルちゃんだけが、静かに俺を見つめて笑っていた。