一瞬にして固まる一同。
え何?漫画の世界?
厳つい兄ちゃん達が俺達を見てるよ。
厳つい兄ちゃん達が中腰で二列でお出迎え。
その向こう側に見える、仁王立ちする男らしい女、栗原竜希。
「いらっしゃい。」
薄着の和服。
普通女性が着れば、体のラインが見えるもの。
以前も浴衣だったが、やはり栗原…
「体のラインが……ないっ!!…いてっ!」
俺がそうボソッと言うと後ろから拳骨が降ってきた。
「デリカシーないよ。金田。」
「だからって…」
容赦ない拳骨に頭を抱える。
大輔はたまに母親のような所がある。
金田は殴られた頭をさすりながら、栗原を見る。
「轟。」
栗原がそう呟くと列の一番前のオールバック厳つさ満点な兄ちゃんが立ち上がった。
毎度お馴染み、轟さんだ。
近寄ってきて、その凶悪な笑顔で言った。
「ご案内します!おめぇら、荷物お持ちしろ!!!」
そしたらまた、厳つい兄ちゃん(てか厳ついのしかいない)が6人の荷物を持って行く。
((追い剥ぎにあってる気分だ!))
一同の心の中ではそう叫んでいた。
荷物なんてちょっとなのに!
轟はこちらです、と前に進む。
「キンちゃん、俺リューちゃんがどうしてあんなに男勝りに育ったかわかる気がする。」
「奇遇だな、俺もだ。」
轟の後ろに続いて、そうやって2人は呟いた。


