【金田side】


「うわー。」

「でっけー。」


早速日曜日、生徒会一同は栗原家へやってきた。
門の前に立つや否や、口をあんぐり開けて見上げる大輔とマルちゃん。
柱に栗原組とかかれた板がある。
いや、おれ、ひと月くらい前に来たんだけどね。


「す、スゴい!!かっこいい!」


目を輝かせる佐々木に尻尾が生えているようだ。
会長はにやっとして満足げ。
怖い。
夏目先輩は興味なさそうにまっすぐ見据えている。
俺は恐る恐る、インターホンを鳴らす。
和風の造りにインターホンとはなんともミスマッチ。


ぴーんぽーん


たったそれだけなのに俺、マルちゃん、大輔はびくっとする。
数秒するとインターホンからすぐに声が。


<<はい>>

「金田…です。」

<<あい、了解>>


栗原からのシンプルな返事。
ぷつっとインターホンが切れる。


「キンちゃん、来たことあるのになんでビクついてるの。」

「…あん時は半強制的に入ったから…」

「ちょっと金田、しっかりしてよ、彼氏役でしょ。」

「あぁ、今すぐ止めたい。そんな役。」

「俺達は好奇心で来ちゃったけど、いま好奇心残ってるのシンだけだよ。」


シン…とはマルちゃんが呼ぶ佐々木の名。


「待って。沢村先輩もにやついてる。絶対何か悪しきことを考えてらっしゃるよっ…!!」


確かに会長の周りには何か禍々しい物を感じる。
ひぃっと俺達3人が身震いした時、野太い声が響く。


「開門!」

『押念!!』

「「「押念!?」」」


響く大勢の野太い声に顔を歪ませる。
重いそうな扉が開くと、そこは…異次元だった。


『いらっしゃいあせ!!!』