【赤丸side】


どうもマルちゃんです。
リューちゃんをプロデュースしたのは大成功だったね!
我ながら上出来!
そう、見た目が可愛くなったことは予想通りだったんだ。
見た目だけは。


「20番さん。」


いま俺たちは会場でオーディションを見ている。
このオーディションはオーディションというより、コンテストっぽい。
だから、広い会場で特技とか自分らしさをアピールしてるんだけど…。

俺たちの予想は、緊張でガチガチになったリューちゃんが滑るという予想。
実はこれが今回2つ目のここにきた理由。
きっとリューちゃんに話すと《私をおもちゃにするな!》と怒鳴りそうだけどね!
滑った様子、キンちゃんも見れたらいいのに…。

キンちゃんがいつになっても来ない。
会場で迷ったのかな?


「栗原さんの特技ってなんだろうね。」


アピールタイムには各自、自分の特技を披露する。


「柔道とかやっちゃいそうですね。」

「柔道なら個性的で高得点ですね!」

「佐々木、アイドル向きじゃないだろう。」

「あ、」


俺たちは期待で胸を膨らませた。
と、その時。
関係以外立ち入り禁止の席の扉が開き、なんとキンちゃんと桐谷が入ってきた。


「なんで金田くんが?」

「桐谷くんにバレてるし!!!」

《23番さん》

と、同時にリューちゃんの番号が呼ばれた。
舞台袖からリューちゃんが出てくる。
案の定リューちゃんは足をロボットのようにガクガクさせていた。
顔は無表情。
審査員も苦笑い。
俺達爆笑。
もう最高!リューちゃん!


「く、栗原竜希です。歌います!」

「「「歌!!!???」」」


予想外な展開に俺たち生徒会は制止。
それよりも予想外だったのは……



♪♪~♪~♪~~♪



「…嘘。」