「はい。」
きっぱりと言い切った桐谷の顔はクラスで陰キャラと呼ばれるようなやつじゃない。
なんだかむず痒い気分になった。
「ならさぁ。ちゃんと学校に言っとけよ?」
「い、いいんですか!?」
「親の承諾書があれば学校は許可する。不登校なんじゃないかって、阿形が心配してた。」
「忠宏が…」
桐谷は俯いた。
そして小さく、すみませんと言った。
解決、でいいのか?
マルちゃんゴメン。
終わっちゃった。
「ところで金田先輩、オーディション、見たくないですか?」
「へ?別にみたく…いや。」
もうこんな時間だ。
きっと先輩たちも会場に行ってしまっただろう。
ならあっちで合流したほうが…。
「行くだけ行くか。」
「俺がいるんで、前の席に行けますよ。因みに俺は午後の部です。」
「あー別にアイツ見たってなぁ…可愛くもなんともないな。」
「えっ。」
驚きの声が隣から漏れた。
桐谷は信じらんないと言いたげに俺を見上げていた。
「連れって女性なんですか?」
「…まぁ、女だな。どうした?」
「いや、女嫌いで有名な金田先輩が女性のためにここにくるなんて…!」
「わりぃ、訂正が必要だ。メスだ、メス猿。ZOO学園のサクラちゃん辺りと同じだ。」
「メス…?あ、栗原竜希先輩ですか?」
「そう。それにアイツのために来たんじゃない。お前に注意するため。生徒会みんな来てる。」
「生徒会に迷惑を…すみません…」
「あやまんなよ。迷惑かけたと思ってんなら、立派にアイドルになれよ。」
「……!!!!」
正直みんな来なくて良かったんじゃないか?
1人に対して生徒会総出ってなぁ…。
マルちゃん辺りが面白半分で栗原をオーディションに出そうと思ったんだろう。
女の子を可愛くすることが俺の趣味だよ☆的なことをマルちゃんが昔言ってた。
ファッションセンスだけはピカイチだからなぁ。
これからも栗原は着せ替え人形になるだろう。
それだけは同情する。


