ていうか、あの3人は何をしてるんだろ。
机の上にヒゲ、カツラ、サングラス等の変装グッズが置いてある。
なかには「本日の主役」の襷があったが、もうどこから突っ込めばいいか私にはわからなかった。

沢村先輩が佐々木を着せ替えて、楽しんでる。
大輔は鏡をみて真面目に変装している。

…ごめん。
端からみた私にとってそれは爆笑もの。
そのヅラ似合ってるよ。

そしてその様子を冷ややかな目でみる夏目先輩。


「はぁ。」

「幸せ逃げちゃうよ。」

「あれだろ。お前らの"素晴らしい美貌"でスカウトされちゃうから、変装してんだろ…?」

「御名答!」

「お巡りさんに捕まるから止めなさい!!!」









一方その頃、こちらは金田。

【金田side】


「何故だ。」

「あの…生徒会の金田先輩ですよね。」

「何故。」

「…あの。」


探索中だったはずの金田です。
今の現状を説明するとだな、俺はこのビルの散策中にスタッフに見つかった。
バッチをつけるのが面倒だったから、ポッケに入れてた。
スタッフは俺をみて、一瞬眉間に皺をよせ口を開いた。


「君、オーディション受ける子だろう。このバッチあげるから、あの部屋に入りなさい。」

「いや俺は…!」

「わかりにくいからな、このビル。緊張しなくていいぞ~。」


無理やり部屋に押し込められてしまった。
人の話を聞かないスタッフだ。
そもそも、なんで不審者だと思わない。
バッチを持ってないだろ。
つーか、それよりも問題なのは…


「金田先輩もオーディションですか?」


桐谷章太にバレたこと。