ここは生徒会室横の会議室。


「書道部にはちゃんと来てるらしい。」

「そんなに書道部大好きくんなのか?」

「俺の予想は書道部に可愛い子がいるから、行くんじゃない?」

「そりゃ、赤丸だけだろ。」

「栗原さん、マルちゃんに容赦ないね。」

「この前みたいに、片っ端から口説いてんでしょ。」

「可愛い子だけ!リューちゃんもっと自信持ちなよ。」

「おいおい、お前こんなサルみたいな…」

「おい?誰のことだ!?サルって!!」

「お前だよ。」

「はいはい、本題に戻るよ。」


始まって10分。
会議らしい会議はしてないが。


「もう無理お手上げ!」

「確かに難易度高いよねー。でもキンちゃんと大輔はかなり、予想出来てるんだよね?」

「まあな。」

「へ?」


気の抜けた声が出る。
意味わからない!!
ドヤ顔の金田にいらっとした。


「月曜日になったら、話す。」

「え、もったいぶんな―」


♪~♪♪~~♪~


良いとこなのに、空気を読めない私の携帯。


「…もしもし。」

《竜希かあ?栗原組で歓迎会やるから、彼氏連れて来いよお。来週の日曜日だ。》

「彼氏なんかいな《ツーッツーッツーッ》

「あんの糞オヤジ…」


容赦なく会話をぶち切った父さん。
フリーダムに生きすぎだと思う。
握り締めた携帯がちょっとだけミシッと音がした。
おっと危ない。
物に当たるのはよくない。


「親父さん?」

「うん。」


金田はこの前の出来事を思い出したようで苦笑した。
つーかこいつは…なんだ。
この前は優しくしてきたのに、今はこんな態度。
なんだよ、サルって。
仮にも女子だぞ、私は。


「アハハハハ!!」

「!?何!?今笑うとこ!?」

「なんてブサイクな顔してるの、リューちゃん!!」

「ちょ、それは女の子に失礼じゃ…」

「なんなんだ!私は華のJKだぞ!!デリケートなんだぞ!」


そんなやり取りがまた続いたのだった。