廊下にでると眼鏡の少年はペコッと頭を下げた。
「来てくれたんですね、よかった。」
「あ、もしかして君が手紙出したの?」
「はい。阿形忠宏です。」
彼は一礼した。
礼儀正しいなぁ。
世の中の後輩がみんなこれなら助かる。
「まず、君と桐谷くんとの関係は何ですか?」
「中学が同じなんです。」
「大輔、メモ!!!!」
「は、はい!!(あれ!?俺の立場!?)」
大輔は制服のブレザーをあさって、手帳を取り出した。
大輔は将来、嫁さんの尻にひかれるタイプだ間違いない。
「詳しく教えて。」
「は、はい。ひと月前から、週に2回のペースで休み始めたんです。」
「…前はどうだったの?」
「前は全然休まなくて…少し弱々しいけど健康体でしたよ。」
「心当たりは?」
「ないです。あ、でも休む曜日は決まってるんです。火曜日と金曜日。」
定期的にか。
気分で行きたくないとかじゃないんだな。
火曜日と金曜日にいけない理由があるのか。
「大輔、書道部の活動日は?」
「………火金以外!!!」
火曜日と金曜日に書道部には行くんだな。
「最近の変化と言えば、格好よくなったかな?」
「なにそれ。」
「いや、髪をワックスつけたり。私服のセンスが良くなったり。たしか前、スカウトされてましたよ?うん、多分それから。」
「ふーん。大輔メモ大丈夫?」
「う、うん。」
「俺は、勤勉な章太が学校を休むなんて信じられないんです。…あ、すみません、次体育なんで急ぎますね?」
「おっありがとう!」
阿形くんは、また一礼してその場を離れた。
礼儀正しくてこっちとしては楽だ。
…書道部には行かなきゃ行けないから?