「えーとまず、この箱を開きます。中の手紙を片っ端から読みます。」
「…『会長かっこいー彼氏になってー』『佐々木君可愛いー』『生徒会って自己中だよね』『金田くん好きです』」
「糞棒読みだな。」
ちっ、ろくな事書いてないよ。
ただのラブレターじゃん。
有り得ない。
今私は棒読みだったけど、ほんとは語尾にハートやら音符やら書いてあった。
金田のやろーラブレターに動じないとか…なんだお前。
「俺は女に興味ないからね。」
「お前のどこがいいんだか。」
「お前にはない魅力ってやつじゃない?」
「お前なぁ。腹立つからどうでもいいのは破って捨てるよ。………これは…どうする?」
ピラピラと手紙を振る。
生徒会って自己中だよね。ってやつ。
「それはよくあること。生徒会だって万能じゃないからな。自己中に見えんだろーなぁ。報われないのが生徒会なんだよ。」
「ふーん。」
生徒会ってもっとカッコいいもんだと思ってた。
たった数人で数百人の生徒を引っ張ってるってイメージだった。
案外そうでもないのか。
「あ、これだ。」
「『友達が不登校気味です。助けてください。』重っ!めちゃくちゃ個人的じゃん!出来んのか?」
「まあな。名前は桐谷章太。1年C組の男子だ。」


