「ほー。名前は?」
「えと…2年D組の…栗原竜希さん…?」
「このクラスだな。お前知ってて今来たんだろ。」
沢村はどうでしょうと微笑んだ。
「で、どの子です?」
「あれだ。一番うるせーやつ。」
俺はコートの真ん中、最も騒がしいやつを指差した。
「ハイッ!!」
ドテッ
「いって!!痛い!ハゲる!!」
「なに前転レシーブしてんのよ、リュー。」
「リューちゃんは元々髪薄いから、問題なし。さ、次々。」
「え、なにそれヒドくない?友達が頭に打って、アホになろうとしてるのに。ねぇヒドくない?」
メガネが光って読み取れない沢村の表情。
…企んでるコイツ。
「ほう…。女子役員不足の生徒会には持って来いですね。…それに金田くんも嫌わなそう。」
「あいつが嫌わない女子なんかいるのか。」
「女子が嫌いではないんです。女々しい女子が嫌いなんです。」
沢村は栗原を見て分析。
そして、生徒会勧誘において大きな問題である女嫌いな副会長.金田。
女がいないから生徒会に入った金田が栗原を認めるか?
無理だろういくら栗原でも。
「でもまあ、絶対権力を持つのは今は私です。彼がなんと言おうが、この学校に必要なら彼女を入れますよ。」
沢村はニコニコして言った。
背後には、何かどす黒いオーラが見えている。
…敵にはしない方がいいタイプだ。


